飲むボタニカル「ジン」!その始まりは薬用酒?

ジンとボタニカル

ここ数年で女性の間で広く浸透したキーワードが、「植物」という意味の「ボタニカル」。
ボタニカルをコンセプトにしたヘアケア商品やボディケア商品、植物をモチーフにした「ボタニカル柄」のファッションやネイル、観葉植物を部屋に飾る暮らし「ボタニカルライフ」など、植物の持つ「安心感」や「癒し効果」が世の女性たちの間でブームとなっています。

お酒にも、このボタニカルを使った香り高い蒸留酒があります。
西洋の養命酒ともいわれるジン。
ジンの味わいを特徴づけるボタニカル(香草・薬草類)も、もともとは「植物の」という意味で使われています。

「植物は体にやさしい」「植物は美容・健康に良い」という認識が広まることで、ボタニカルの香りや風味を活かしたジンを楽しもうという愛酒家も増えているようです。

今回は再注目されているこの「ジン」について紹介していきます。

ジンとは

ジン

ジンはウォッカ、テキーラ、ラムと並ぶ「世界4大スピリッツ」のひとつです。

スピリッツは蒸留酒全般を指します。
蒸留とは、醸造酒(発酵液)を熱して気化したアルコールを、冷却して再び液体に戻す作業のこと。
もとの醸造酒よりも、アルコール濃度(度数)は高くなります。

スピリッツはクリアで雑味の少ない味わいのため、カクテルのベースとなることが多いお酒です。
その中でもジンは「ボタニカル」と呼ばれるハーブやスパイスを加えて造られるため、香りや風味にさまざまな個性があります。

ジンの製造工程に使われる「ボタニカル」の多様性、個性が近年注目を集めており 「クラフトジン」と呼ばれる小規模なジン造りが世界的に流行中です。

ジンに使われるボタニカルは「ジュニパー・ベリー」「レモンピール」「コリアンダー」「カルダモン」「アンジェリカ」などがありますが、必須とされる「ジュニパー・ベリー」以外は種類に決まりがありません。

そのため、大手メーカーだけでなく世界各地の造り手たちが、それぞれの地域特有のボタニカルを使った、地域色豊かなクラフトジンを提供しています。

ジンってどんな味?

「お酒の香水」とも呼ばれているジンは、香草のボタニカルな香りが楽しめます。
最もポピュラーな「ドライ・ジン」はさわやかなキレと苦味があり、伝統的な製法をとる「ジュネバ」は奥深い芳醇とほんのりとした甘みが特徴です。

ジンの歴史

「オランダで生まれ、イギリスで洗練され、アメリカが栄光を与えた」と評されるジン。
ジンというお酒は、もともとは嗜好品ではなく薬用酒としてオランダで開発されました。

■オランダで薬用酒として生まれる

1660年頃、オランダのライデン大学医学教授であったシルヴィウス博士が、アジアなど植民地における熱病対策に作った解熱・利尿用薬用酒「ジュニエーヴェル・ワイン」が「ジン」の起源とされています。

それ以前からジュニパー・ベリーは世界各地で外傷や感染症の治療薬として用いられていましたが、アラビアからヨーロッパに蒸留技術が伝わったことで、ジュニパーベリーの成分を抽出できるようになったのです。

当時はジュニパー・ベリーをアルコールに浸した後に蒸溜するという簡素な蒸留法で作られていたため雑味の多い薬酒ではありましたが、ジュニパー・ベリー特有のさわやかな香りから、薬としてではなく新しい味わいのお酒としてオランダ国内で流行したのです。

このお酒は「ジュニエーブル」と呼ばれ、オランダ商人たちによって世界中に広まりました。

■英国風ドラインジンの誕生

なかでも大流行となったのがイギリスで、その大きなきっかけとなったのが1689年。


オランダの貴族であったオレンジ公・ウィリアム3世が名誉革命でイングランド国王として迎えられたことでした。

このウィリアム3世によって「ジュニエーブル」もオランダからイギリスに持ち込まれました。
故郷のお酒の関税を安くし優遇したこともあり、瞬く間に庶民にも広まっていきます。

イギリスで多くの人に愛される中で「ジュニエーブル」が短縮され、そこで初めて「ジン」と呼ばれるようになりました。

19世紀になって連続式蒸溜機が登場すると、現在のような雑味の少ない、洗練された辛口のジンが造られるようになります。
主要生産地であるロンドンの名をとって「ロンドン・ドライ・ジン」と呼ばれるようになりました。
現在、世界で「ジン」と呼ばれているお酒は、そのほとんどが英国風のドライ・ジンです。

一方で、ジンの母国オランダでは伝統的な単式蒸留のものが独自の発展を遂げ、「ジュネバ」 あるいは「オランダ・ジン」と呼ばれています。

ドライ・ジンとはまた異なる味わいで親しまれ、ジンの2大潮流となっています。

■アメリカでのカクテルフィーバー

アメリカでは、もともとイギリスの植民地だったオランダ系移民が多かったため、当初はイギリス産のジンよりも、原料の穀物の甘みが残り濃厚で芳醇なジュネバのほうが人気でした。

しかし、アメリカで1900年代初頭に「ドライ・マティーニ」のレシピが誕生したことをきっかけに、アメリカでもカクテルベースとして雑味の少ないドライ・ジンが一躍人気に。
こうしてドライ・ジンは世界的なスピリッツとして脚光を浴びるようになりました。

ジンは健康に良い?

ジンはもともと薬用酒として開発されたこともあり、健康成分を多く含んでいます。
全てのジンに使われているジュニパー・ベリーは、解熱作用や利尿作用があるといわれているスパイスです。
ボタニカルに使われることの多いレモンピールには風邪の予防効果や強壮効果、コリアンダーには毒素を排出するデトックス効果、アンジェリカには血行促進、精神安定などの効果が期待できます。
ジンの銘柄により使用されるボタニカルが違うため、効能もさまざまです。

ジンの製法

【ジン蒸留器】

穀物・根菜・果実などを蒸留してつくったニュートラルスピリッツに、ボタニカルを加えてもう一度蒸留し、水で希釈します。

①蒸留

ジンの土台となるニュートラルスピリッツ(中性アルコール)を造ります。

ジャガイモ、ブドウ、テンサイ、サトウキビ、小麦、トウモロコシなどの原料の主成分
をデンプンと糖分に分解し、そこに酵母菌を加えて発酵。
そうしてできたもろみを連続式蒸留機で加熱・気化させて、アルコール純度の高い(95%以上)ニュートラルスピリッツを造ります。

繰り返し蒸留されるニュートラルスピリッツは度数が高く、基本的に無味無臭です。

②ボタニカルを加え再蒸留

ニュートラルスピリッツにボタニカルで香味づけを行います。
香味づけの方法は主に2通りあります。

■浸漬法

ニュートラルスピリッツにボタニカルを浸して、単式蒸留機(ポットスチル)でゆっくり再蒸溜する伝統的な方法です。

ロンドン・ドライ・ジンの定番「ビーフィーター」など、銘柄によっては再蒸溜する前にスピリッツにボタニカルを24時間近く浸漬するものもあります。

■蒸気抽出法(バスケット法)

単式蒸留器(ポットスチル)内の上部に「ジン・ヘッド」と呼ばれる籠(かご)のようになった円筒(上下は金網)を取り付け、その中にボタニカルを詰めて、この円筒にスピリッツ蒸気を通過させることでフレーバー成分を抽出する方法です。

ボタニカルを直接スピリッツに浸すのではなく、気化させた状態で香り付けするため、雑味成分の少ないピュアなジンに仕上がるといわれ、「ボンベイ・サファイヤ」はこの製法が採られています。

③水で希釈してボトリング

ボタニカルの香味をまとった再蒸留後のスピリッツのアルコール度数は、60~70度。これを水で希釈してボトル詰めします(銘柄によっては熟成させてから希釈するものもあり)。

ジンのアルコール度数は銘柄によってまちまちですが、だいたい40度~50度です。
ジンの香り成分は水よりもアルコールに溶けやすいため、アルコール度数が高ければ高いほど、それだけ溶解している香り・成分量も多いということ。

また、希釈に使う水の性質も少なからず味わいに影響を与えます。
最後の希釈工程で理想とする香り立ちの強さ、香味バランス、味わいに近づけるための微調整をし、ボトル詰めされます。

ジンの飲み方

ジンのカクテル

【カクテル】

<ジン・トニック>

ジン・トニック

ジン・トニックのレシピは、ジンとトニックウォーターを混ぜ合わせて、ライムやレモンを添えるだけ。そのシンプルさが、逆に難しさでもあり、「ジン・トニックを頼めばバーテンダーの腕がわかる」とまでいわれています。

<マティーニ>

マティーニ

ジン・ベースのカクテルで、一度は味わってみたいのが「マティーニ」。
ジンとドライ・ベルモットを4:1の比率で混ぜ合わせ、オリーブを添えたカクテルです。
香り高くキレのある味わいは、“カクテルの帝王”と呼ばれるにふさわしいものがあります。

<ギムレット>

ジンとライムジュースを3:1で合わせてシェイクしたもので、マティーニと同様、格調の高さで知られるカクテルです。
英国海軍医のトーマス・ギムレット卿が、艦内でジンをたしなむ将校たちに、健康のために
ライムジュースを加えるよう提唱したことが起源とされています。

<ジンソーダ>

ジンソーダ

ジンをソーダで割ったものです。 「ジントニック」では甘味のあるトニックウォーターで割りますが、甘さを加えないソーダを使うことでジンのキレと香りを余すことなく味わう事ができます。
甘味が少ないことから食事中でも料理の味を邪魔せず、晩酌や飲み会でも人気です。

【ロック・ストレート】

ロック

ジンのアルコール濃度は40度と高いですが、他のスピリッツと比べ雑味が少ないため、ロックやストレートでもすっきり飲むことができます。
ボタニカルの香りや原酒の味わいをダイレクトに楽しみたい方は、ストレートでテイスティングをすることをおすすめします。
とはいえ、やはりアルコール度数は高いので飲みすぎには注意です。

【お湯割り】

お湯割り

意外と知られていない飲み方がお湯割り。
ジンの辛さが和らぎまろやかな味わいになります。
ハーブティーのような感覚で、ジンに含まれるボタニカルの香りがじっくりと広がります。

ジンとお湯を1:2の比率で割ります。
お湯は少し熱めの90度前後。
ポイントは、お湯を先にグラスに注ぎ、ジンを後から入れることです。
温度差による対流で自然と混ざり合うためステアが不要になり、ぬるくなりません。

Giftryおすすめのジン

~ジャパニーズメーカーの誇りと正統派ドライ・ジンの融合~

ボタニカルブームの後押しもあり、人気再燃のクラフトジン。
Giftryがおすすめするのは東京に蒸留所を構える「東京八王子蒸留所」の「トーキョーハチオウジン」!

ハチオウジン

八王子蒸留所は、八王子という工業の集積地の製造ノウハウをジン製造に活かしている「クラフトジン」メーカーです。

代表の中澤氏はアメリカ・シカゴのスピリッツメーカーKOVAL社でジン造りを学び、稼業である樹脂メーカーが所在する八王子に蒸留所を立ち上げました。

地域由来のボタニカルを使用した個性的なクラフトジンが注目される中、中澤氏はあえて国産のボタニカルにこだわらず、本場欧州の材料を使った正統派「ロンドン・ドライ・ジン」を選択。

70年の歴史を誇るジャパニーズメーカーとしての製造ノウハウを活かし、原料酒の質、加えるボタニカルのバランス、それらが奏でるハーモニーを追求しています。

国内の多くのクラフトジンでは原料に焼酎が使われていますが、良いジンを作る上でベースとなるニュートラルコーンスピリッツにこだわるのが中澤流。
遺伝子組換でないことを示すNON-GMOを取得したとうもろこしを原料に造ったスピリッツを使用しています。

ボタニカルを包み込むトウモロコシ特有の甘い香りと、柔らかい舌触りが奥深さを演出します。

ボタニカルにはフレッシュさとほのかな酸味をもたらす
レモンピール、甘夏ピール、ビターオレンジピールなどの柑橘系。
奥深い芳香と辛味を加えるコリアンダーシード、カルダモン、クローブ、スパイス系。
華やかな香りを与えるアンジェリカルート、リコリスルート、エルダーフラワーなどのハーブ系
をバランスよく配合しています。

和柑橘と花の風味による個性を目立たせすぎず、あくまでスタンダードを追求した味わいであるため、カクテルの材料として使いやすく、ジン初心者でもひとつ上のカクテルを味わうことができます。

ロンドン・ドライ・ジン本来の味わいというコンセプトを体現した「トーキョーハチオウジン CLASSIC」と、エルダーフラワーと甘夏を大胆に使い、甘い香りを強調した「トーキョーハチオウジン ELDER FLOWER」の2種類を展開。

「トーキョーハチオウジン ELDER FLOWER」は、ジンの中ではアルコール度数が低めの40度に設定しています。 原料のコーンスピリッツの酒質と柔らかな口当たりがトニックウォーターとの相性に優れているため、ジン&トニックで楽しんでほしい商品です。

<番外編・ボタニカルジントニックのすすめ>

黄金のボタニカルジン・トニック

Giftryおすすめの飲み方は、山梨県日和ワイナリーのジャパニーズ・トニック「kizashi」を使ったジン・トニック!

「kizashi」は縄文時代より日本の生薬として伝わる、ミカン科樹木のキハダから生まれたトニックウォーター。 クセのないドライな「トーキョーハチオウジン」と清々しい柑橘系の「kizashi」の相性は抜群です。

合計6つの柑橘、10つのハーブ・生薬を使ったボタニカルな香り。
ジンとkizashiの爽やかな調和をご自宅で、ゆったりとお楽しみいただけます。